リセールを視野にいれた都心マンションの購入
東京都心部の住まい探し(主にマンション)は、地方の場合と少し異なります。
地方では、生涯そこで暮らすことを目的に、土地を買って家を建てる方が多いです。もちろん、東京都の中でも一戸建てを購入する方もいらっしゃいますし、不動産投資を目的とされている方や地主様・オーナー様であれば、不動産を長年保有されている方もいるでしょう。
ただ、地方と比べて都心の不動産は販売価格や地価も高く、お客様の年齢や年収によっても、その時に購入できる不動産や融資状況は制限されてしまいます。一方で、昨今の都心部には新築マンションが次々と立っていますから、価格帯の幅・在庫状況から見ても選択肢は広いです。
そのため、都心部では土地や戸建てよりマンションのほうが比較的購入しやすいという特徴があります。つまり、社会人になったばかりの20代前半のお客様であっても、マンションを購入することは可能なのです。
ライフステージの変化で「住み替え」の可能性
しかし、若い時にマンションを購入された場合、最初に買ったマンションにずっと住むとは限りません。「給与がアップし、以前から住みたかったエリアに住み替えを…」という方もいるでしょうし、「自分の環境が変わったから」という方もいます。
たとえば、数年後に結婚や出産を通して家族構成が変化した場合、1人で暮らしていた時には必要なかった子供部屋や寝室が必要となるかもしれません。お子さまが社会人となり家を出られた場合、これまでお子さまが使用していた部屋が不要になるかもしれません。
このように、「ライフステージの変化」に合わせてマンションを変えていく「住み替え」を検討する方が多いというのが、都心不動産の特徴の1つといえます。
私自身、お客様の生活スタイルに合わせてマンションを購入されたり、住み替えをされることをおすすめしています。10年以上も先のことを予想するのは難しいかもしれませんが、この先5年~10年のライフプランであればいかがでしょうか。
現在の職業や今後のキャリアアップ、家族構成など、少し先の生活を予想しながら、お客様のライフスタイルに合わせたマンション購入ができるようお手伝いしています。
「適切なサイズ」を選ぶメリット2つ
不動産購入はどんなものであれ高額なので、「一度きりの購入だからより良い(広い・部屋数が多い・高級)物件を」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、上述したとおり、都心マンションでは「住み替え」の可能性があります。
こうしたことも踏まえ、私は「ライフステージに合わせた適切なサイズのマンション購入」を検討されることをおすすめしています。そうすることで、次のような2つのメリットがあります。
コスト面でのメリット
たとえば、面積が広い・部屋数が多いといったマンションは、ご入居される人数が多ければ快適ですが、1人暮らしの場合は使わない部屋がでてきてしまいます。このようなお部屋は収益性がないので、いわば所有している不動産の「在庫が余っている」状態です。
こうしたボリュームの大きい物件というのは、その分予算もあがります。つまり、使わない部屋に対しても支払いをしていることになってしまうのです。
お客様の中には「もしかしたら使うかも」「ないよりあったほうがいい」と考えられる方もいますが、同じ荷物置き場として利用するのであれば、トランクルームやサマリーポケットといった収納サービスを検討された方が、無駄なコストにならないといえるでしょう。
リセール(売りやすいかどうか)面でのメリット
ライフステージが変わってマンションを住み替える場合、現在入居中のマンションを保有するのか、売却するのかを考えることになります。
賃貸収入としてそのまま保有される方もいらっしゃいますが、残りの住宅ローンや税金の関係で、売却される方も多いです。
その際、どうしても「売りにくい物件」というのが存在してしまいます。それが、ボリュームのある(広すぎる、販売価格・修繕費用など総合的なコストが高すぎる、別荘地や交通に不便な場所にある)物件です。
売却価格があがると、それだけ購入を検討いただけるお客様の範囲は狭くなってしまいます。こうなってしまうと、売却活動が長くなってしまい、資金調整ができずに住み替えがスムーズにいかなくなることも考えられます。
ただ購入するだけでなく、その後のライフプランと照らし合わせながら、「この物件をどうするのか」「どう使っていくのか」「なぜ買うのか」を考えていただくことが重要です。
それに加えて、購入しようとしているマンションが利用用途や入居人数に合った「適切なサイズ感かどうか」も1つのポイントとしていただければと思います。
高田 一洋
福井県あわら市出身。金沢大学工学部(機能機械工学科)を卒業後、大手コンサルティング会社を経て、志を実現するために当時取引先のリストグループへ入社。大手不動産会社10数社の内定を断り、リストグループの魅力に惹かれて入社を決意。