マンションや土地・戸建てなど、保有している不動産を売却しようとした時には不動産会社に相談されるかと思います。不動産会社によっても担当する営業マンによっても「売り方」はまちまちですが、私が大事にしているのは、「入口」と「感想」です。
今回は、私がいつもお客様にヒアリングさせていただいているポイントについてお話しいたします。
買った時のことを教えてください
どんな物件であれ、その物件を購入したのには理由がありますよね。
販売価格、立地、広さなど、様々な決め手があるかと思いますが、居住用不動産は基本的に「同じ境遇にいる人が同様の物件を検討する」傾向があります。
ここでいう「同じ境遇にいる人」とは、年齢・配偶者の有無・給与・働き方など、現在の生活環境が似ている人ということです。
というのも、1LDKの物件であれば、ファミリーよりも単身者またはカップルのお客様の方がそのマンションで過ごす生活を想像しやすく、住んでいても適切なサイズ感といえます。
そのため私はいつも、このマンションを購入した「動機」や「当時の状況」を、お客様にお聞きしています。そうすることで、「どのようなお客様に買っていただける物件なのか」を少しずつ予想しています。
住んでいた時のことを教えてください
居住用マンションでは、物件自体の設備(キッチン・洗面台・クローゼットなど)も大事ですが、「生活に便利な環境かどうか」という点も見逃せません。
そのマンションに住んでいてなにが便利だったか、周辺にあるどのような店舗や公共施設(スーパー・クリーニング店・病院・教育施設など)を利用したのかなど、一番知っているのは入居者様ご本人です。
周辺環境のみならず、マンションに併設されている共用部(ラウンジ・ジムなど)の利用頻度や用途についても同様になります。
こうしたリアルな体験談は、マンション購入を検討しているお客様にとって非常に有益な情報となりますので、そのマンションでの生活について教えていただけますと幸いです。
高田流マンションの「売り方」
私はこうした「なぜこのマンションを買ったかという入口」や、「住んでいた時の感想」などをお客様にお聞きしながら、その物件の「分析」をしています。
不動産営業マンの中には、ただ物件情報をレインズに掲載したり、不動産業者間で横流ししたり、来店された方がどんな方であれ、とりあえず担当物件をご紹介するなど、物件に対して「適切なプロモーション活動」をしていないことがあるように感じます。
先述したとおり、ファミリー層であるのにも関わらず1LDKやワンルームといった物件を紹介するのは、特段の事情がある限りお客様の生活を考えているとはいえません。
「どんな生活スタイルのお客様に相応しい物件なのか」。こうした分析に必要なのは、実際にそのマンションで生活をされていたお客様自身の声になります。 ぜひ一緒に、売却されたいマンションの良さを考えていきましょう。
高田 一洋
福井県あわら市出身。金沢大学工学部(機能機械工学科)を卒業後、大手コンサルティング会社を経て、志を実現するために当時取引先のリストグループへ入社。大手不動産会社10数社の内定を断り、リストグループの魅力に惹かれて入社を決意。